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先週に引き続き『人狼』オールナイトスペシャル第二弾開催! (長文

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先週に引き続き『人狼』オールナイトスペシャル第二弾開催! (長文) 

6月24~25日に開催され大好評を博した、『押井守SPECIAL “ケルベロス”』に続き、7月1日深夜から2日未明にかけてオールナイトスペシャル上映会第2弾が開催された。題して『HISTORY of HIROYUKI OKIURA』。前回はおもに押井氏にスポットを当てていたのに対し、今回は沖浦氏を中心に据えたイベントとなった。

 会場となった新宿三丁目の映画館・テアトル新宿には熱心なファンがつめかけ、立ち見が出るほどの大盛況だった。今回上映されたのは、『GHOST IN THE SHELL -攻殻機動隊-』、『機動警察パトレイバー2』、『MEMORIES』の3作品。映画上映前には、沖浦・押井両氏になじみの深い北久保弘之氏を迎えて、沖浦氏VS北久保氏トークショウが行われ、ファンにはたまらない一夜となった。

 北久保氏は、今秋公開予定のアニメーション『BLOOD』の監督を務めている。同じProduction I.Gが制作に関わっており、『人狼』がアナログ作品であったのと対照的に、全編デジタルムービーとなる。押井守氏も企画協力にあたっており、アニメファン注目の作品である。

 ファンの入場もスムースに終わり、予定より約5分ほど早くトークショウが始まった。司会を務める渡辺隆史氏(元「アニメージュ」編集長・現「キャラアニ・ドット・コム」企画プロデューサー)に続いて、沖浦氏、北久保氏が登場、なごやかな雰囲気の中での対談となった。まずは北久保氏によって、沖浦氏とのいきさつが語られた。「初めて一緒に仕事をしたのは『 BLACK MAGIC M-66 』(`87年)で、沖浦君が作画担当してるんですが、以前から噂は聞いてました。アニメーターの腕は某作品で良く知ってましたし」。ここで渡辺氏がどの作品かを問うと、沖浦氏から不許可の指示が……。なんでもスタッフクレジットがみなペンネームになっている“濃い”作品だそうである。続けて初印象を聞かれた北久保氏は、「とにかく融通が利かない。手を抜くのを嫌がる。まさに頑固一徹です。当時も今も印象は変わりません」と沖浦氏のまじめっぷりを語ってくれた。それに対して沖浦氏が北久保氏に感じた印象は「やたら周りに気を使う男。そこまで気を使わなくてもいいやん、というくらい。

 渡辺氏の北久保氏に対する印象は「いろいろな人を集めてくる人」だそうで、『老人Z』の時が思い浮かぶそうだ。『老人Z』は北久保氏が監督を務めた`91年の作品。江口寿史氏がキャラクター原案、大友克洋氏が原作・脚本・メカデザインを担当している。「あの企画を考えているときに、やはりキャラは売れ線でないとね、とか巨大ロボットがいる!という話になって、江口氏・大友氏に頼むことになったんです」(北久保氏)。なお、この作品には沖浦氏も参加している。準備段階から参加の依頼を受けており、これをきっかけに東京に移住することになった思い出の作品だそうである。

 次に話題に登ったのは『人狼』の印象について。北久保氏が会場に向かって「まだご覧になっていない方は?」とたずねると、2人ほどの挙手が。「偏った先入観を与えてはいけないので(笑)」と前置きして語ったのは「このアニメは究極の足フェチアニメです!」。なんでも、「腿から脛から足首から、ここまで足にこだわったアニメはないのでは?」とのこと。北久保氏の視点から見ると、足を見せるためのアングルが満載だそうである。「何でここで滑り台が登場するんだ? とか」。何でも沖浦氏は以前から「足」にはかなりうるさかった様子。作成の合間にスタッフと悪戯書きをしていた際にも足の絵ばかり書いていた、という逸話も北久保氏によって紹介された。沖浦氏はこれに対して「俺の電波を受け取ってくれてありがとう」と一言。会場からは爆笑の渦が起こっていた。さらに、北久保氏からは「監督のリビドーが正直に現れていてすばらしい。ぼくも見習いたい」との弁が。冗談めかした中にも尊敬の念が感じられるコメントだった。

 北久保氏が監督し、沖浦氏も参加している次回作『BLOOD』についても話題に上った。当日はロビーにて宣伝ビデオが流されており、興味を持った人も多かったようである。作品の概要が北久保氏から紹介された。「設定は1966年。ベトナム戦争当時の横田基地にあるアメリカンスクールを舞台にした、吸血鬼とそれに対抗する組織の戦いを描いた作品……ですが、ひとことで言えば“セーラー服で日本刀を持ったねーちゃんが吸血鬼をたたっ切る話”」だそうで、「説明しやすいけど間が持たないのが悩み」とのこと。なお、『BLOOD』は映画だけでなく、ゲームや小説などさまざまなメディアで展開していくそうである。各作品ごとに時代設定が異なっており、多角的な楽しみ方ができそうだ。

 トークショウの後には観客参加の質疑応答も行われた。直接監督に質問ができるチャンスはなかなかないだけに、貴重な場となった。終始なごやかな雰囲気で行われた今回の対談だが、笑いの中にも、沖浦氏、北久保氏のアニメに対する真摯な姿勢が伝わってくる内容だった。なお、次週7月8日はオールナイトスペシャル最終日! 「人狼PLUS」と題し『人狼(英語字幕版)』『機動警察パトレイバー 劇場版』『AKIRA』が上映される。次回も盛況が予想されるので、早めに整理券を確保しよう。

(2000/7/2)

関連URL
http://www.oshiimamoru.com/
押井守公式ウェブサイト『ガブリエルの憂鬱』
http://www.production-ig.co.jp/
プロダクションI.G公式ウェブサイト
http://emotion.bandai.co.jp/news/jinroh/
バンダイビジュアルオンライン『人狼』特設ページ

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