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MANGAZOO : Club"ManiaX" INDIES COMIC Review vol.22 Comic Market 58 vol.2

WARNING!!
「Club”ManiaX”」では18歳未満の購入・購読が禁止された成人向けの同人誌や、商作品のパロディ要素を含んだ同人誌についても、レビュアーが紹介するに値すると判断し、同人誌という扱いの中で法律的に問題がないとされる作品については掲載・紹介しております。みなさまからのご意見・ご要望はe-mailにて受付ております。

第22回
オールジャンル同人誌即売会
コミックマーケット58
2000年9月15日

2000年8月12~14日、有明・東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット58」は、世界最大規模のオールジャンル同人誌即売会だ。一日の参加動員数、出展サークル数などを見ても他に類を見ない巨大イベントと言っても過言ではない。レビューは3回に渡ってお送りする。レビュアーによって、まったく違うイベントに参加してきたかのような、同人誌のチョイスとなるだろう。そのあたりが見どころ。

『メジロちゃん なちゅらる』

●家族むっく
●家族ムック
●A5/42p
●作者Webサイト

-野鳥観察本- と言うサブタイトルが付いてますが、あらら?
 不思議なかぶり物をした少女、メジロちゃんが主人公。第一発見者となった鳥子ちゃんを巻き添えに、怒濤の4コマ漫画が展開されます。外見だけで言ったらエ○アイスともかぶりますが、読み進むうちに作者の野鳥大好きパワーで独自の世界が構築されていきます。「右から、カケス・ルリカケス・オナガ・カササギ、お気に召しませ!」「なんで全部カラス科なのよっっ!!」
 ガン子ちゃん(マガン)や鴬谷さん、千鶴先生、ツバメちゃん、そして一般(?)の人々を交えての野鳥ワールドが、これでもかと言うくらい詰め込まれています。でも後ろにある「メジロちゃん第二部」ではちょっとSFちっくなショートコミックもあり、ジンとくる場面も。
 A5・42Pに収まりきらない作者のパワーを感じた一冊でした。このまま続編が出てもおかしくないほどの勢いがありますので、多いに期待したいところです。

『POPPET-02 -DIVE TO-』
●めいるぅ
●Lip Service
●B5/40p
●18禁

 「車内での携帯のご利用はご遠慮下さい」こんなアナウンスが流れるようになってずいぶん経ちますが、確かに鳴りっぱなしの呼び出し音や周りを無視した大声での通話は困り者。そこでこのケータイ少女、L-501!(頭のアンテナに注目)
 操作は全てボイスコマンド、通話は通常会話そのもの(ただしものすごくタイムラグあり)。ただしダテに人間型をしてるわけではありません、別の機能ももちろん…と夜パートに突入と言ったところ。小ネタとして、折り畳み可能型やドッチーモなどもあり。後半はオリジナルマンガ、元気な女の子が暴れまくりの本となっています。

『1/6 <ロクブンノイチ>』
●きんぐぎどら
●ボボキングパラダイス
●A5/28p
●作者Webサイト

 1/6とは、一般的なドール(ジェニーなどの着せ替え人形)のスケール。でもこの本では、スーパーナチュラルボディーで作られ、動いて喋れるドールが主役。自分で着がえられるけど、やはりご主人様の手で着がえさせてもらうのが至福のひととき。ご主人様大好きドールの喜怒哀楽が詰まっている、楽しい一冊です。

『B-MANI REMIX』
●真島悦也
●真島屋
●B5/28p
●作者Webサイト

 今回のBはぶるま~のB。紺色で厚手の布で運動能力に優れている着衣。表紙から奥付まで、すべてのページにブルマッ娘を登場させる作者のこだわりには感服させられます。

『Get Sweet ‘A’ Low Phone 「神戸屋本 2nd」』
●拝葉雄八
●呪文まみれ
●B5/22p
●18禁

 本のシリーズ名はあまり大きな声で読まないように。…とまあそのとおりの○ロ本なのですが、Hに入るまでの3人ヒロインの掛け合いギャグも読ませます。やはり神戸屋の制服はいいですね。
 また今回の夏コミでは、同シリーズ「デジモン本」(やはり18禁)も同時発行されていました。

『FEEL SO NICE! 8.9.10』
●蒼樹うめ、MATSUDA98
●梅松
●B5/32p
●作者Webサイト(蒼樹うめ)
●作者Webサイト(MATSUDA98)

 お二人によるLeaf・Key・Tacticsファン本です。蒼樹うめさんが今回で活動休止なされるそうで、合同サークルである「梅松」のラスト本となりました。パロディショートコミックが何本も入っており、ほんわかした気分になる一冊です。

『ECO SPLASH 2』
●うろたん
●うろぴょん☆
●B5/40p
●18禁
●作者Webサイト

 すでにWebでは説明の必要が無いほど広まっている、東北電力エコアイスのマスコットキャラクター、えここ(公式名は、アイス)ちゃんの本、第二弾です。お子様を描かせたら業界一・二(?)を争う可愛さの氏の絵で展開されるHマンガはなかなかクるものがあります。

レビュアーが見た、コミックマーケット58

 今回、大手配置が東館出入り口のみならず、西館外周にまで分散されたようで、大手目的の人は大変だったようです。大手でなくても、今回創作少年ジャンルが3日目西館配置となり、一人で回るのは不可能でした。こうなると体が東1~3館前半用、東1~3館後半用、東4~6館用、西館用、と4人ぐらいに分身したいところですがそうもいかず、西館を全面的に友人に任せ、東1~3スタートとなりました。かといってその分、東館購入担当分も回ってきて大変なことに…。
 その他にも普段の仕事が忙しい時期と重なり、準備不足のまま本番となってしまったのが自分的に後悔。結局コミケ開催期間に突入し、準備と睡眠のどちらを取るか、と言うことになったわけですが、このごろ睡眠の方を取らざるをえない体になってしまいました、しくしく…。体力落ちたなあ。
 Web、書店委託、雑誌への掲載などで、これまで追っていたサークルに人気が出始めるととたんに本が買いにくくなるのが悩みのタネ。確かに、書店委託するサークルも増えたことは、ありがたいと思ってますが…。しかし、池袋の某巨大同人誌ショップは、いったいどこまで拡大するつもりなんだろうか?

レビュアー紹介
ペタチュウ8001…得意なジャンルは「ぷに・ぺた」。この「ぷに」というのは、顔の頬の張りを示す言葉で「ぷにっとした感覚」というイメージを浮かべれば、その意味が明らかだ。そしてもう一方の「ぺた」というのは、簡潔に言えば「貧乳」ということだ(これに対する言葉は「巨乳」「爆乳」あたりだろうか)。こういった趣味を深く持ち、しかも一点集中的にこだわり続ける人はなかなかいない。その特異な得意分野のレビューは、一読の勝ちアリ!? 最近は買った本を他人に見せる度に「とても同じイベントに行ったとは思えない」と言われることもしばしば。